科学哲学への招待

野家啓一著。

学部生だったかあるいは大学院生だったとき、ふと疑問に思ったことがあった。

なるほど、勉強してきたことについて、今まで定説となっていることは大体わかった。と共にいまどんな分野がホットで、盛んに研究が行われているかもわかった。学会発表のやり方もわかった。投稿論文も書く必要があるならそのうち書けるだろう。でも、科学とはこれでいいものかさっぱりわからない。

そんな疑問も日々のルーチンと突発する問題への対処に追われてすり減ってなくなってしまったんだけど、先日この本が紹介されている記事を見たときに、フラッシュバックしたから迷いなく買った。

内容としては科学史について丁寧になめるていくような感じであった。その中で常に哲学とは科学とは何がという問があり、科学が深化するに従いその問に対する答えが変わっていったことが見て取れた。現在でもまだ定説はないことも。

できれば大学の教養課程で出会っていればその後違ったかもしれないが、今言っても詮無きことなので、これから科学論、科学観をゆっくりと煮詰めていこう。幸いそれから許される立場であるし。