バゴンボの嗅ぎタバコ入れ

カートヴァネガット著。浅倉久志伊藤典夫訳。

シニカルな話を書かせたら並ぶものの居ない著者の初期短編集。特に表題作のバゴンボの嗅ぎタバコ入れが白眉。元恋人に吹いたほら話がバレそうになり、どうしようもない状況と読者に思わせておいて、実はそんなに悪くない境遇という二段落ちはお見事!

これに限らず後の大作を予感させるような作品がちらほらあり、一読の価値あり。