迷宮の将軍

ガブリエル•ガルシア•マルケス著。ラテンアメリカの開放者シモンボリーバルがヨーロッパに脱出しようとした最期の日々と過去の栄光と落日についての本であった。

新世界有数の資産家であったボリーバル家の資産を投入し、情熱を燃やし尽くして得たものがかつての部下との不和、裏切り、罵り声だけとは空虚だ。

しかし、よくよく考えるととカラカスギャングだけが革命軍で高位を占め、先住民系、アフリカ系は排除されていたことが遠因であったようにも思える。

果たして大衆にとってスペイン副王に支配されるのとカラカスの白人に支配されるのとどちらが幸福であったのだろう。