ノモレ

国分拓著。NHKスペシャルのイゾラドの番組の背景というか相補というか。

番組とは異なり、イネ族と現れたイゾラドが"ノモレ"つまり生き別れた同じ部族ではないか、という視点を背骨にして進んでいく。突然現れたイゾラドが元の親戚とは考え難いが、語彙が共通など一概に否定もできず、幻想的だ。あたかも魔術的リアリズムのよう。

一方で、どのようにしてイゾラドを守るかも興味深かった。文明化させて伝統を捨てさせ生命を守るか、それとも文化を守って生命危険に晒すか。2つに1つしか選ばせることができない文明は、果たして本当に文明なのであろうか?

 

今日もノモレに呼びかけ続けているのであろう。